新型コロナウイルスが急速に広がる中、大阪府で看護師不足が深刻化している。近く稼働する重症患者専用施設では目標の看護師数の半分も集まっておらず、軽症や症状のない患者を受け入れる宿泊施設では看護師1人が患者約50人を受け持つこともある。

 大阪府看護協会は府と協力して「医療崩壊を防ぎ、危機的な状況から国民を守るため看護の力が必要」として看護師を募っている。対象は、新型コロナに感染した軽症者や無症状の人向けにホテルを利用した宿泊療養施設、府が設置したPCR検査用施設、15日に運営開始をめざす重症者向けの施設「大阪コロナ重症センター」で働く看護師だ。

 看護師資格があるが離職していた人、フリーランスで働いている人、勤務先の病院の許可が得られる人などを想定している。高橋弘枝会長は「さまざまなネットワークを通じて声をかけている。なんとかこの危機を乗り越えたい」と話す。

 宿泊療養施設では、医師は常駐していない。主に看護師が患者の健康状態を把握している。新型コロナへの不安に向き合う患者の訴えを長時間聞くこともある。感染者の急増で、一つのホテルに宿泊する200人程度の感染者を4人の看護師で対応せざるをえない時もあり、人手不足の状態が続いている。

 春の「第1波」では感染者に無症状の若い人が多かったが、最近は容体が変わりやすい高齢者も増え、病院に緊急搬送するケースも相次いでいる。毎日、複数のホテルと看護協会でテレビ会議を開き、情報共有している。

ICU経験者はひっぱりだこ

 15日から運用開始予定の重症…残り:710文字/全文:1349文字

2020年12月2日 17時51分
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