年金手帳、令和4年4月から廃止へ。代わりになる基礎年金番号通知書とは?
12/8(火) 8:10配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/fdb89c352f48dd36ef65a25272679c38150aed38

長年にわたり、公的年金の被保険者に交付されていた年金手帳が廃止され、代わりに基礎年金番号通知書が送付されることになります。今回は、年金手帳が果たしてきた役割と変遷について概観し、基礎年金番号通知書について紹介します。

年金手帳が果たしてきた役割と変遷
1. 年金手帳の役割と廃止の理由
年金手帳は、国民年金や厚生年金保険の被保険者である証しとして交付され、(1)保険料納付の領収の証明、(2)基礎年金番号の本人通知という機能を果たしてきました。

しかしながら、被保険者情報がシステムで管理されていることや個人番号の導入に伴って、手帳という形式である必要がなくなりました。そこで、業務の簡素化と効率化などを目的として、手帳という形式と役割を見直すこととなり、令和2年6月に関連法案が成立し、令和4年4月から年金手帳が廃止されることになりました(※1)。

2. 公的年金制度の変遷
わが国の公的年金制度は、昭和17年に工場や炭鉱に勤務する男子労働者を対象とした「労働者年金保険」としてスタートしました。その後、昭和19年に「厚生年金保険」に移行し、その後、適用範囲を女子や一般事務職員に拡大するなど、幾多の変遷を経て現在に至っています。

一方、昭和35年には、自営業者などを対象とした「国民年金」制度が創設され、公的年金は2本立ての構造になりました。その後、昭和61年から基礎年金制度が創設され、公的年金は2階建て構造に移行しました(※2、3、4)。

図表

(※4を基に筆者作成)

3. 国民年金手帳としてスタート
公的年金制度の変遷の中で、昭和35年に国民年金制度が創設された時点で国民年金の被保険者証として「国民年金手帳」が交付されることになりました。

この手帳には、住所、氏名、年金の番号、資格の取得・喪失年月日が記入されるとともに、国民年金保険料を納めたことを示すための国民年金印紙検認台紙が付いていました。この台紙には、5年分の印紙が添付できましたので5年ごとに手帳を更新していました。

したがって、この間に発行された手帳は、水色、エビ色、薄だいだい色など数種類がありました(※3)。

4. 年金手帳に統一
その後、昭和49年に国民年金と厚生年金保険などの被保険者証の共通化が図られ、オレンジ色の「年金手帳」に統一されました。これまでの間、厚生年金の被保険者には、厚生年金被保険者証(紙カード)が交付されているのみで、年金手帳は配布されていませんでした(※3)。

以下はソース元で