米ファイザーとドイツのビオンテックが開発したワクチンを欧米で最初に承認した英国では、
8日から国民に接種が始まる。当初は約50の病院が取り組みに参加する。

ワクチンの焦点が研究開発から配布に移るなかで、人口6700万人の英国に注目が集まる。
製造や物流面での困難を乗り越えることに加え、一部の医療関係者や市民に接種は安全だと納得させることも必要だ。

英政府も他の幾つかの欧米諸国と同様、新型コロナ検査や接触追跡について批判にさらされた。
ワクチン接種ではそのような問題を引き起こさないことが重要となる。本格的な冬の到来を前に病院は既に逼迫(ひっぱく)状態にある。

医療の責任者らは4日の書簡で、ワクチン接種により入院患者数と死者数は春までには大きく減る可能性があるとしながらも、
「そこに行きつくまでには何週間もある」と警鐘を鳴らした。

ベルギーで製造されたファイザーとビオンテックのワクチンは陸路と空路で英国に運ばれた。到着後12〜24時間をかけて品質チェックが行われる。

英国民保健サービス(NHS)の発表によれば、80歳を超える高齢者と介護施設の職員、医療従事者が最初に接種を受ける。
最終的には最大1000カ所のワクチン接種センターが開設されると政府は説明している。

エリザベス女王(94)と夫のフィリップ殿下(99)は数週間以内に接種を受ける見込みだと報じられた。
国民に接種を促すことも目的だという。
https://www.sankeibiz.jp/econome/news/201208/ecb2012080743005-n1.htm