卵大手「アキタフーズ」元代表、西川元農相らと会食 政界交渉足がかりか

 自民党衆院議員の吉川貴盛元農相(70)=北海道2区=に現金を提供したとされる大手鶏卵生産会社「アキタフーズ」(広島県福山市)グループの元代表が、内閣官房参与を辞職した西川公也元農相(77)を交え、吉川氏ら複数の農水族議員と会食していたことが判明した。元代表は西川氏に現金を渡したと周囲に説明しており、農水族の重鎮とされる西川氏を政界交渉の足がかりにしようとした可能性がある。

 関係者によると、業界団体「日本養鶏協会」の特別顧問だった元代表は2018〜19年、農相在任中の吉川氏に現金500万円を渡したと東京地検特捜部に説明しているほか、西川氏や複数の現職の国会議員にも現金を提供したと周囲に話しているという。

 自民党衆院議員だった西川氏は衆院選落選後の17年11月、農林水産業の振興担当の内閣官房参与に起用された。食事会は西川氏が参与在任中に複数回開かれており、吉川氏が参加していた回もあった。場所は料亭や高級レストランだったという。

 食事会が開かれた時期は、鶏卵の取引価格が下落した際に基準価格との差額を補?(ほてん)する「鶏卵生産者経営安定対策事業」の進め方や、家畜をストレスのない状態で飼育する「アニマルウェルフェア(動物福祉)」の基準づくりを巡り、業界が政府に要望を伝えていた。

 元代表は同時期、西川氏を日本養鶏協会の幹部で囲む食事会も開いており、元代表が中心となって、業界を挙げて西川氏を頼っていたとみられる。

 西川氏は「一身上の都合」として8日付で参与を退職した。【志村一也、二村祐士朗、国本愛】

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毎日新聞2020年12月10日 05時00分(最終更新 12月10日 05時00分)
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