Social Game Info2020年12月15日 15時51分
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ブシロード<7803>は、この日(12月15日)、第1四半期(8〜10月)の連結決算を発表し、売上高89億7100万円(前年同期比8.0%増)、営業損失8200万円(前年同期の営業利益12億0300万円)、経常損失9300万円(前年同期の経常利益12億2400万円)、最終損失1億5400万円(前年同期の最終利益6億4200万円)と増収・赤字転落となった。

同社では、アニメ「アサルトリリィ BOUQUET」と「D4DJ First Mix」の償却費に加え、「D4DJ」の広告宣伝費など先行投資が発生したため、としている。音楽部門では、音楽ソフトやライブ、舞台の売上が伸びたが、ライブの観客数に制限がかかったこともネガティブに影響した。

こうしたなか、新日本プロレスとスターダムで構成するスポーツ部門は、音楽ライブなどと同様、イベントなどに制限がかかったものの、黒字を確保した。トレーディングカードゲームも国内外で販売が好調だった。

1.デジタルIP事業
売上高66億5100万円(前年同期比11.1%増)、セグメント利益300万円(前年同期比99.5%減)となった。TCG(トレーディングカードゲーム)部門は、販売店舗でのカードゲーム大会が全国的に再開して需要が高まったこと、経済活動の再開に合わせて主力TCGである「カードファイト!! ヴァンガード」と「ヴァイスシュヴァルツ」の新商品の発売を集中させたこと、また、東アジアと北米を中心とする海外での販売も好調に推移したことから、売上・利益ともに大きく伸長した。

特に、自社IPと他社IPの両方で展開するハイブリッド型TCG「Reバース for you」は、VTuber事務所「ホロライブプロダクション」とコラボした商品が好評を博し、「Reバース for you」を遊ぶ新規ユーザーの獲得や認知度向上に大きく繋がった。MOG(モバイルオンラインゲーム)部門は、「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS」(他社IP・他社配信)が1周年のキャンペーンを実施し、10月から放送を開始したTVアニメ「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」による盛り上がりも相まって好調に推移した。また、新規アプリゲーム「D4DJGroovy Mix」(自社IP・自社配信)を10月25日にリリースした。

一方、いわゆる巣ごもり需要が一段落したことから、「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」(自社IP・他社配信)をはじめ、既存アプリゲームの売上はやや軟調となった。MD(マーチャンダイジング)部門は、コロナ禍のなか販売店舗が在庫量を抑制したことで卸商品の受注数が減少した。また、リアルイベントが再開したものの来場数が限られていることから売上の大きな改善には及ばず、売上は低調に推移した。オリジナルカプセルトイブランド「TAMA-KYU(たまきゅう)」は1周年を迎え、「事務的なはんこ」「自己主張バッジ」など複数のヒット商品を展開し、コロナ禍においてもカプセルトイの売上は堅調に推移している。

メディア部門は、ブシロードムーブの広告代理店事業に於けるグループ外部案件の増加により、売上が大きく伸長した。なお、10月より放送を開始したTVアニメ「アサルトリリィ BOUQUET」及び「D4DJ First Mix」に係る償却費が発生したことに加え、新規IP「D4DJ」のプロモーション展開に係る広報宣伝費が大きく発生した。

2.ライブIP事業
売上高23億2000万円(前年同期比0.0%増)、セグメント損失9100万円(前年同期のセグメント利益4億5000万円)となった。

音楽部門は、音楽ソフトについてはRAISE A SUILEN1st Album「ERA」がオリコンデイリーアルバムランキング1位を獲得するなど、堅調に推移した。ライブ・舞台についてはリアルイベントを本格的に再開し、音楽ライブ「『BanG Dream!8th☆LIVE』夏の野外3DAYS」(8月21日〜23日開催)、舞台「アサルトリリィ The Fateful Gift」(9月3日〜13日開催)、東京ガーデンシアターでの5日間連続の音楽ライブイベント(10月7日〜11日)などを開催した。これにより各IPの展開が活発化し、売上も大きく伸長したが、観客動員の制限が影響し、利益の確保には至らなかった。また、劇団飛行船ではミュージカル公演の規模縮小や中止が重なり、大幅な減益となった。

スポーツ部門は、新日本プロレスでは年間で最大級の大会「G1CLIMAX30」(9月19日〜10月18日、全19回)を含む国内41回の興行の開催及び海外での興行の配信、女子プロレスブランドのスターダムでは横浜武道館におけるプロレスこけら落とし興行「STARDOM YOKOHAMA CINDERELLA2020」(10月3日)を含む17回の興行を開催し、堅調に売上を伸ばした。また、音楽部門のライブ・舞台と同様に観客動員に制限があるものの、興行はより低コストで開催できることから、スポーツ部門全体としては黒字化した(長文のため一部削除)