新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、12月16日から大阪市全域で酒類を提供する飲食店などへ営業時間短縮が要請されます。
応じた店には協力金が支払われますが、店と“取引する業者”からは嘆きの声が上がっています。

大阪市北区にある商店街の中の酒店「伊吹屋」。倉庫には空のケースが目立ちます。例年、年末は倉庫いっぱいに商品を高く積み上げているといいますが、
今は数えるほどで、仕入れも最小限。12月、取引先の飲食店からの注文は“例年の10分の1”です。

いつもなら注文と飲食店への配達で休む間もありませんが、今年は状況が違います。

大阪府は12月16日〜12月29日までの2週間、大阪市全域の酒類を提供する飲食店などに午後9時までの営業時間短縮の要請を行います。
府と市は『要請に応じた店へ協力金として76万円支給する』としていますが、対象は接待を伴う飲食店やバーやカラオケなど酒類を提供する飲食店や居酒屋などで、
要請の影響をもろに受けるとはいえ、伊吹屋などの酒店は対象外です。

(大阪府 吉村洋文知事 12月16日)
「いろんな事業者の皆さんが呼びかけによって非常に厳しい状況になっているは重々承知していますが、
今の段階で緊急事態宣言時のような支援金をするのは難しい状況です。」

酒店「伊吹屋」がこれまでに受け取ったのは、9月の持続化給付金だけです。

(伊吹屋 小牟礼隆之さん)
「飲食店に補償するのはいいけど、それに連なるうちみたいな酒屋とかの補償は一切言わない。
うちらには死ねと言うてんのかと。飲食店に携わっている業種に関して、もっと何かないの。」

また、大阪市内を中心とした飲食店にレンタルおしぼりを納入している会社にも話を聞きました。

(KCC 渡邊幸二さん)
「(時短要請の)前やとGoToイートがあったので、みんな活気戻ってきだした矢先のこれなんで。
一気に落ちて、みんな元気なくなってんなという感じはします。」

11月27日の時短要請以降、おしぼりの数は約半分に減りました。
配達した分だけ自分の給料になる完全歩合制のため、飲食店の休業や時短は生活に直結する死活問題です。

(KCC 渡邊幸二さん)
「このままだと年末越せるのかなと心配もあるくらいなので。(飲食店と)同じ金額とは言わないけれども、
何かしらの支援をしてもらえたらありがたいなと。」
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20201216/GE00036262.shtml