日本銀行は18日の金融政策決定会合で、新型コロナウイルスの感染拡大後に始めた金融機関への有利な資金供給制度などについて、来年3月末の期限を6カ月間延長すると決めた。国内外で感染者が増えて経済への打撃が心配されるなか、追加経済対策を打ち出した政府と足並みをそろえ、特別な支援を続ける姿勢を明確にした。

 コロナ対応に必要な資金を企業へ貸す金融機関に対し、日銀は有利な条件でお金を流す制度を設けている。この制度を来年4月以降も延長し、中小企業などがお金を借りやすい環境を保って資金繰りを助ける。資金調達のために企業が発行する社債とコマーシャルペーパー(CP)の買い入れも、今春以降に広げた計約20兆円の枠を来年4月以降も続ける。日銀が買い手となって社債市場などに投資家を呼び込み、企業の資金調達費用を減らすねらいがある。

 一方、日銀は公表文で、新型コロナの影響で「経済・物価への下押し圧力が長期間継続すると予想される」と指摘。政策目標とする2%の物価上昇の早期達成に向けて、「より効果的で持続的な金融緩和を実施していくための点検を行う」と表明した。来年3月の会合をめどに結果を公表する方針も明らかにした。ただ、「金融緩和の枠組みの変更は必要ない」としている。

 国内の景気判断は「引き続き厳しい状況にあるが、持ち直している」とし、「経済活動が再開するもとで持ち直している」とした前回10月と大きく変えなかった。「第3波」といえる感染拡大が各地で続くが、都市封鎖などの措置は国内外ともに春先より小規模で、世界経済の回復傾向は変わっていないと判断したとみられる。(渡辺淳基)

朝日新聞 2020年12月18日 13時08分
https://www.asahi.com/articles/ASNDL46FKNDKULFA02W.html?ref=tw_asahi