尾身会長「急所押さえて」飲食時のコロナ対策の徹底呼び掛け 東京、首都圏の沈静化が全国的な抑制の鍵

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないことを受け、西村康稔経済再生担当相と新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は21日、臨時の記者会見を開いた。尾身会長は「東京の場合には感染が少しずつ増えている」と指摘した上で、「飲食を中心として感染拡大していると考えられる。会食・飲食による感染拡大リスクを徹底的に抑えることが必要」と話した。
 国内の新型コロナの感染者数は累計で20万人を超え、感染拡大に歯止めがかかっていない。尾身会長は東京、千葉、埼玉、神奈川、茨城、群馬に感染が増えている状況を示し、「首都圏では都市部から周辺に感染がしみ出している」と分析。「感染が拡大している首都圏を沈静化させないと、全国の感染の沈静化させることはできない」と強調した。
 尾身会長は、再三の協力要請について「辟易している方が多いことは理解している。急所を押さえることができれば、感染を収束方向に向かわせることが可能だ」と述べた。
 感染リスクの高い急所として、食事の際の会話を挙げた。飲酒の有無や場所、昼夜を問わず、食事の場で感染が起きているといい、対策として@食事は静かにA家族・いつもの仲間で5人以上は控え、すいている場所を選ぶBおしゃべりするときはマスク着用、少なくともハンカチなどで口元を抑える、ことを示した。
 西村氏は、都道府県知事の感染拡大防止の取り組みについて、緊急事態宣言に至らない段階でも、「一定の法的枠組みを設けて実効性を高めることも検討を進めたい」と明言。さらに「国民の命を守るために必要となれば、強制力を有する措置を講ずることができるよう検討を深めていきたい」と述べた。

東京新聞 2020年12月21日 19時51分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/75775