健康被害の恐れがあるアスベストが含まれていた珪藻土(けいそうど)製バスマットの自主回収を始めた家具大手ニトリが、手入れ用ヤスリを付けて販売していたとして、削るとアスベストが飛散する可能性があるため「削らずに使用をやめて」と呼びかけている。カインズも同様の自主回収を発表して、使用中止を呼びかけている。

 ニトリは22日に、珪藻土のバスマットやコースター9種類・計約240万個の自主回収を発表。同社によると、回収対象品のうちバスマット2種類・計約170万個にヤスリを付けていた。パッケージに「汚れがひどい場合、表面の汚れを削り落とすと吸水効果が復活する」と記していたという。

 カインズも22日に珪藻土のせっけんトレーやバスマットなど5種類・計4万8千個からアスベストが検出されたとして、検出されなかった商品を含めた17種類の自主回収を発表。うちバスマット1種類に同様の理由でヤスリを付けていたという。

 ニトリの対象商品を使っているという東京都内在住の30代の会社員男性は、2019年5月に購入。バスマットが汚れていると感じた時に3カ月に1回ほどヤスリで削っていたといい、「商品に付いていたので、普通に使ってしまった。報道で知って驚いた」と話す。

 両社や厚生労働省は、飛散するおそれがあるので、切断したりゴミとして捨てたりせずに、ポリ袋に入れてテープでしっかりと封をするように呼びかけている。問い合わせはニトリお客様相談室
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