0001納豆パスタ ★
2020/12/24(木) 17:49:46.13ID:7EPrAz6I9マクシム・クリロフ (国際ジャーナリスト)2020年12月22日
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/21632
抜粋 詳しくはリンク先の記事へ
(アゼルバイジャンとアルメニアは互いに戦争で領土を奪い合ってる。)
第二次ナゴルノカラバフ戦争はこの現状を一気に覆した。
専門家の予想を大きく上回る勝利を収めたアゼルバイジャンは「緩衝地帯」のほぼ全域を取り戻し、
「アルツァフ共和国」の二番目に大きな町、シュシャも手に入れた。(略)
合意に基づいて「アルツァフ共和国」とアルメニアをつなぐラチン回廊に配備された
ロシアの平和維持部隊が「アルツァフ共和国」の存続を事実上保障することになる。
https://wedge.ismcdn.jp/mwimgs/6/e/-/img_6ec8d009c49fbb1bb538a5eb860731d5272050.jpg
理由は三つ
一つ目は、長年にわたり行われた和平交渉が奏功しなかったことである。
2018年までナゴルノカラバフ出身の人物が大統領と首相の地位にあったアルメニアは、
交渉自体に対して極めて消極的であり、
アルメニアの世論もアゼルバイジャンへのいかなる譲歩を一貫して拒んできた。
結局のところ、空回りし続ける外交に失望感を募らせていったアゼルバイジャンは、
膠着した現状を武力で一気に打破するという選択肢を選んだ。
二つ目の理由は、両国間のパワーバランスがこの十数年で大きくアゼルバイジャン側に傾いたことである。
産油国であるアゼルバイジャンは(略)
名目国内総生産(GDP)と軍事費はアルメニアのおおよそ7倍まで膨らんだ。(略)
三つ目の理由は、ロシアとアルメニアの関係の冷え込みである。
18年の民主主義革命で誕生したアルメニアのパシニャン政権は、(略)欧米との接近も試みた。
旧ソ連圏でたびたび起こる革命に当初から強い警戒心を持っていたロシアは、
自らがリードしている集団安全保障条約機構(CSTO)の加盟国であるアルメニアが
「両賭け」をしようとしているのを見て、不満を隠さなかった。
それを見たアゼルバイジャンは、多少のエスカレーションでもロシアは待ったを掛けないと予想した。
それは見事に的中し、地域大国トルコの支援も取り付けたアゼルバイジャンは戦闘開始後も、
限定的な進展に満足せず、最後までアルメニアに強硬姿勢で臨むことができた。
https://wedge.ismcdn.jp/mwimgs/c/5/-/img_c59b5a8b322c762a3153e0d798dd4e5e215145.jpg
■強かなロシアの立ち回り
同盟国アルメニアの敗北を黙認し、
アゼルバイジャンを後押ししているトルコによる地域への介入まで許してしまったロシアは、
一見すると損をしたかのように思える。
だが、それは見当違いだろう。
第一に、ロシアの仲介で行われた11月10日の停戦合意で実現した、
ナゴルノカラバフへの平和維持部隊≠フ配備によって、
この地域一帯におけるロシアの影響力はむしろ格段と強くなったのである。
(略)
第二次ナゴルノカラバフ戦争で最後までアルメニアと一定の距離を保ち続けたロシアの狙いは、
アゼルバイジャンの手を借りてアルメニアの立場を悪化させ、同国を従来の親露路線に戻し、
そのフィンランド化を半永久的なものにすることだ。
屈辱的な停戦合意に署名したアルメニアのパシニャン政権が比較的近いうちに辞職に追い込まれる公算は大きい。
極限に弱ったアルメニアを受け継ぐ後継者は、ナゴルノカラバフ紛争自体が最終的に解決されない限り、
モスクワの不満を招くような行動を控えるだろう。
■超大国なき国際秩序
(略)
日本の戦国時代にも似ているこのような構造は、
冷戦期の二極体制や冷戦後の一極体制よりもはるかに不安定である。
超大国・米国が今まで支えてきた国際秩序が今後も弱体化していく可能性がある中、
ナゴルノカラバフのように長年にわたって凍結状態にあった紛争が、
これからも次から次へと再燃していくことだろう。
それはアルメニアのように安全保障において自らより強い同盟国に頼らざるを得ない日本にとっても、
看過できない問題である。
関連
【アゼルバイジャン】自治州巡る戦闘でドローン猛威…ロシアが輸出する「看板商品」の防空ミサイル網が突破される衝撃
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1608512314/