※読売新聞オンライン

 【ローマ=笹子美奈子】イタリアで新型コロナウイルスの被害が拡大したのは政府の初期対応が遅れたためだとして、感染で亡くなった人の遺族ら500人以上が23日、国などを相手取り、計約1億2200万ユーロ(約154億円)の損害賠償を請求する集団訴訟を起こした。

 伊紙コリエーレ・デラ・セラなどによると、原告は感染が最も深刻だった北部ロンバルディア州を中心に全国に及ぶ。国と同州に対し、1人当たり20万ユーロ(約2500万円)の賠償を要求している。

 訴状では、今年2月下旬、同州で初の感染者が確認された後、政府や同州は移動禁止などの措置を速やかに実施しなかったと主張。感染症の大流行に向けて世界保健機関(WHO)が求めていた危機管理計画を、2006年に策定して以降、改定していなかったとも指摘し、これらが被害の拡大につながったとしている。

 遺族らは6月に刑事告発も行い、検察がコンテ首相らを聴取するなど捜査を進めている。イタリアの感染死者数は欧州最多で7万人を超えている。

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