英国などで広がっている新型コロナウイルスの変異種が25日、国内で初めて確認された。
見つかったのは空港検疫で確認された入国直後の感染者で、空港からそのままホテルに移動していた。

変異種は従来のものよりも感染力が強いとされ、厚生労働省や国立感染症研究所(感染研)は危機感を強めている。

「変異種が国内で流行が拡大すると、現在の流行をさらに拡大する可能性がある」。
25日夜、記者会見に臨んだ感染研の脇田隆字所長は、厳しい表情でそう語った。

同省などによると、21日までに空港検疫で陽性と判明した68人の検体を調べたところ、5人の検体から英国と同様の変異種が確認された。
5人はいずれも英国からの直行便で羽田、関西両空港に到着。

21日に関西空港に到着した40歳代の男女と10歳未満の男児の計3人は同じ航空機に乗っていたという。
同省は5人の濃厚接触者はいないとしている。

感染研は現在、空港検疫で陽性と判明したすべての感染者から検出したウイルスの遺伝子解析を実施している。

今後は民間検査会社の協力も得て、英国などへの渡航歴がある感染者の検体を幅広く分析する。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20201225-OYT1T50238/