埼玉新聞

埼玉県本庄市児玉町の大恩寺は、技能実習などで来日したベトナム人の駆け込み寺となっている。コロナ禍で仕事や住居を失った実習生らに食料や帰国の支援、職業相談などを実施。大使館と連携して不法残留者の減少と、共生社会の実現に向けた取り組みを進めている。実習生の不法残留者は年々増える一方、過酷な労働を強いられて逃げ出すケースもあり、同じベトナム出身の住職は「日本人と同じように扱ってほしい」と訴えている。

「コロナの影響で解雇された」「飛行機が減便して帰国できなくなった」。在日ベトナム人の支援を続けている大恩寺には、窮地に立たされた実習生たちが4月ごろから、会員制交流サイト(SNS)などの情報交換コミュニティーを通じて集まるようになった。

 住職のティック・タム・チーさん(42)によると、14日現在、実習生ら43人が共同生活を送っている。8〜9月は帰国のチャーター便待ちで200人以上集まっていたという。「大恩寺は大使館と連携しているため、ここに来れば、早く帰れると思う人たちが全国から集まってくる」

 コロナの影響にかかわらず、最低賃金の水準で重労働させられて逃げ出してきた実習生も。チーさんは「日本は高齢化や若者の人材不足で、ますます外国人労働者が必要になってくる。平和な共生社会をつくるため、実習生を日本人と同じように扱ってほしい」と訴える。

 「とにかく、『申し訳ありません』と謝る毎日だった」。今月11日、3年間勤務した愛知県のプラスチック製造工場を退職し、同寺に身を寄せた実習生のタインさん(23)は振り返る。

 ベトナムで暮らす家族に仕送りするため、2018年1月に来日。約150万円の借金を背負って入国したが、月給は家賃などを払うと手取り10万円程度。3年間で借金は完済したが、家族には大した仕送りもできないまま、契約切れと同時に職場の退去を命じられた。「職場で与えられた仕事は、日本人がやらない、危険できつい肉体労働ばかりだった。外国人は人間じゃないと思われていた」

以下ソースにて
https://www.saitama-np.co.jp/news/2020/12/28/09_.html

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