https://news.yahoo.co.jp/articles/2064ac683ddcc5c9b95bfdc1df0ebc6bb8e9de4f

 キリンビバレッジは、フランスのナチュラルミネラルウォーターブランド「ボルヴィック」の出荷を20年末に終了する。
 その理由について18日、合同取材に応じた堀口英樹社長は、ミネラルウォーターの需要が輸入水から国産水にシフトしたことと輸送コストを挙げる。
 「国産水に需要がシフトし輸入水が減少していく中、『ボルヴィック』も同じように影響を受けピーク時に比べてかなり減少し継続が難しくなってきた。フランスからの物流費は高く、世の中の物流費がどんどん高騰する中で事業としては難しいと判断した」と語る。
「ボルヴィック」20年末に出荷終了の理由 キリンビバレッジ・堀口英樹社長が語る

 輸入水市場は1990年台にブームとなり大幅に拡大。
 その中で「ボルヴィック」は輸入水の中では珍しく日本人に好まれる軟水ということもあり輸入水トップクラスのポジションを確立。1986年の輸入開始当初(当時の販売社はサントリーグループ)は“水はただ”のイメージが強く“天然水は有価飲料”の定着化にも貢献した。
 しかし96年4月に国産小容量ペットボトル製品の販売が解禁されると、国産水が徐々に台頭し輸入水市場はダウントレンドとなる。18年頃からはインバウンド需要の盛り上がりに伴い一部のブランドで復調傾向も見られたが、コロナ禍の影響で、その道も閉ざされた状態になっている。
 「ボルヴィック」の代替としてキリンビバレッジは国産水を拡充の構え。
 「アルカリイオンの水」やEC専用の「キリンのやわらか天然水」などの既存のラインアップに加え、10月に国産水の新ブランド「キリン 天然水」を発売開始した。
 全体の方向性について堀口社長は「19-21年の3カ年中期経営計画のフレームワークは変更せず、21年はCSVの観点から健康と環境を中心として、コロナ収束後の再成長を目指すべく活動していきたい。来年は『午後の紅茶』が発売35周年を迎えるため積極的に販促しながら、皆さまに期待していただけるような活動を展開していきたい」と意欲をのぞかせる。