※本記事は中国人キャリアウーマンの小野りつ子氏の書籍『ながら起業 明日クビになっても大丈夫な働き方』(幻冬舎MC)から一部を抜粋し、改編したものです。

●他人の目立つ行動を許さず、互いに監視し合っている
「しがみつき」の要因は日本の企業体制にあると思いますが、それを増長させている背景には、義務教育のあり方が関係していると考えられます。
中国でもほかの国でも義務教育はあるのですが、日本の義務教育は集団での行動を重視し、過度の協調性を求めるところに、他国よりも強い傾向があるように感じます。

日本は集団主義で、欧米は個人主義だとよく言われています。「最近の日本は個人主義だ」という意見もありますが、私から見るとやはり集団主義です。
日本では目立つ行動をしないことが善とされているので、小学校であまりにも手を挙げすぎると「ほかの子が当たらないから」と釘を刺されたりします。中国ではいちばん手を挙げる子供が褒められるので、大きな違いです。

自分が目立たないだけならともかく、他人の目立つ行動も許さず、互いに監視し合っているような同調圧力を感じます。まるで中国の文化大革命の頃のようです。

●「連帯責任」という世界でも稀な考え方
私は、「連帯責任」という言葉を日本で初めて知りました。日本でマンションやアパートを借りようと思っても、連帯保証人が必要だと不動産会社に言われて貸してもらえなかったという話もよく聞きました。

私たち外国人の場合は、すでに就職先が決まっていればその企業が保証人になってくれるのですが、そうでない場合は日本に親戚も友人もいないのなら借りられないのです。
保証人がいても、外国人だからという理由で断られることもあります。

なぜ連帯保証人が必要なのかと聞くと、「入居者が何か問題を起こしたら、その保証人が責任を負わなければならない」と説明されて驚きました。
アパートを借りるときだけではなく、金融機関に借金するときも連帯保証人が必要です。もし個人レベルで起業した会社が倒産したら本人だけではなく、連帯保証人に累が及ぶようになっています。

これは世界的に見てもまれなルールです。一人が悪いとチーム全体、あるいは組織全体を罰する。これでは個人が萎縮してしまい、何もできなくなるのは無理もありません。

これらが顕著なのが日本の部活動だと思います。最近は幾分かましになってきているとはいえ、例えば高校の野球部で飲酒や喫煙をした選手がいたら、チーム全体で責任を取るために出場を辞退したりすることがあります。
問題を起こした選手を罰したら十分だと思うのですが、問題を起こしていない選手まで巻き込まれてしまうのが疑問です。

こういう環境を通して、日本の集団は形作られていくのだろうと思います。特に体育会系の部活では上下関係がしっかりしていて、それは社会人になってからも続きます。
目上の人に対する礼儀や、周りに迷惑をかけないように集団で行動する姿勢は、日本ならではの美徳と言えるでしょう。

●小学校から「軍事訓練」のある中国の事情は?
中国では学生時代の上下関係はほとんどないので、同じ学校の出身者でも「先輩」「後輩」と呼び合ったりしません。
ですので、同じ会社の中で、出身校同士で派閥をつくるような日本の風土は特異に感じました。

部活だけではなく、整列させて「前へならえ」「右向け右」「休め」のような行動を徹底するのも、集団化をより強固にさせているでしょう。運動会の組み体操はその最たる例かもしれません。

中国でも、小学校の頃から軍事訓練があり、毎週国旗敬礼を行うなど、集団行動があります。それは愛国・愛党精神を植え付けるという目的のためです。
それでも日本のように「みんなと同じ行動を取らなければ」という思考にならないのは、中国では集団は共産党しかないからです。それ以外では個人で生き残るために必死であり、ほかの人の責任を取るなんて考えられません。

(続きはソースにて)
https://news.yahoo.co.jp/articles/d7408fef49be7c89bfca1eca75b36bbe4e477f85

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