0001蚤の市 ★
2021/01/05(火) 08:21:49.40ID:7hwYg3X+9前立腺がんは進行して他の臓器に転移する段階になると、3割程度の割合で「RB1」という遺伝子が消えてしまう。この遺伝子はがんを抑制する働きを持ち、一般的に欠失するとがん細胞の増殖を助けることになる。
一方で、RB1がなくなると「SUCLA2」という別の遺伝子もなくなることが分かった。グループは、この「SUCLA2」の欠失に着目し、これを標的とする化合物を探った。約2千種類を調べた結果、チモキノンに効果があり、がん細胞を攻撃して細胞死させることを突き止めた。
がんの成長を助けるはずのRB1欠失は、同時にSUCLA2欠失を引き起こすため、かえってがんの弱点となることが明らかとなった。
進行前立腺がんは男性ホルモンを抑える薬で治療する場合が多い。ただ、続けていると効果が薄れるケースがあり、新しい治療法の開発が課題となっている。
グループによると、遺伝子の欠失を標的としたがん治療薬の実用例は少なく、河野特任助教は研究の成果について「効き目のある化合物を特定できたことを含めて意義は大きい」と強調する。
チモキノンはキンポウゲ科の植物ブラッククミンの種に含まれる。種はスパイスになるほか、種から抽出されるオイルも食用に使われている。マウスを使った実験では、チモキノンを注射するとがんが大きくならないことを確認しており、グループは現在、治療薬の開発へ研究を進めている。
指導役を務める橋智聡(ちあき)教授は「SUCLA2遺伝子の欠失が現れる肝細胞がんなどの治療にも効果が期待できる」と話した。
北國新聞 2021/01/05 01:07
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