https://www.tokyo-np.co.jp/article/78166?rct=politics

政府は5日、菅義偉首相の4日の年頭記者会見で、時間内に質問できなかった報道機関が、会見後に提出した質問に対する首相の回答を書面で発表した。

 休業要請などに罰則や補償の規定がない現行の新型コロナウイルス特別措置法のもとでの緊急事態宣言の実効性を問われ、首相は「実効的なものとする観点から宣言の内容を早急に検討する」と答えた。
 感染拡大が止まらず、宣言の検討に至った政府のコロナ対策の評価を問われたのに対し、首相は正面から答えず「感染拡大の背景は気温の低下の影響に加え、飲食の場面が主な要因とされる」と回答するにとどめた。
 4日の会見は、幹事社を含めて6人が質問し、30分で終了。政府は、指名されなかった記者の質問を文書で受け付け、6社とフリーランス記者1人が提出した。

【書面回答の要旨】
◆「宣言内容を早急に検討」
 政府が5日、書面で発表した菅義偉首相の回答の要旨は次の通り。
 朝日新聞 緊急事態宣言の実効性はどの程度上がるか。
 首相 感染拡大を抑えるためには、飲食での感染リスクの軽減を図る対策が重要で、実効的なものとする観点から宣言の内容を早急に検討する。特別措置法は給付金と罰則をセットで、より実効的な措置がとられるよう、改正案を通常国会に提出する。
 北海道新聞 感染拡大が止まらず、宣言検討に至った政府のコロナ対策の自己評価を。
 首相 感染拡大の背景は気温の低下の影響に加え、飲食の場面が主な要因とされる。これまでも全国で飲食店の営業時間短縮を進めており、北海道、大阪などしっかり行った地域では効果が出ている。
 西日本新聞 政府の要請が届きにくい現状をどう考えるか。
 首相 東京とその近県では3が日も感染者数は減少せず、極めて高い水準となっている状況を深刻にとらえ、より強いメッセージが必要と判断した。
 中国新聞 核兵器禁止条約発効の所感を。締約国会議へのオブザーバー参加の検討は。
 首相 抑止力の維持・強化を含め現実の安全保障上の脅威に適切に対処しながら核軍縮を前進させることが適切だ。条約に署名する考えはなく、オブザーバー参加は慎重に見極める必要がある。