【ワシントン=長沼亜紀】米民間雇用サービス会社ADPが6日発表した2020年12月の全米雇用リポートによると、非農業部門の雇用者数(政府部門を除く)は前月から12万3000人減少した。雇用減は4月以来8カ月ぶりで、新型コロナウイルスの感染再拡大で雇用情勢は再び悪化した。

6万人程度の増加を見込んだダウ・ジョーンズまとめの市場予測に反して減少した。レジャー・ホスピタリティ産業が5万8000人雇用を減らしたほか、商業・運輸・公益産業も5万人減だった。事業所規模別では、大規模事業所の雇用減が14万7000人と大きかった。ADPは「雇用減は小売業とレジャー・ホスピタリティ産業に集中しており、パンデミックの労働市場への影響が強まっている」と指摘した。

米雇用は、3月にコロナ感染拡大の本格化で都市封鎖が行われたため、4月に急激に悪化した。その後回復が続いていたが、秋以降の感染再拡大で雇用増のペースが鈍化していた。足元では、再び営業規制などが強まっており、雇用情勢は一段と厳しさを増している。

労働省が8日発表する12月の雇用統計について、市場は、非農業部門の雇用数が5万人程度増加すると予想している。


日本経済新聞 2021年1月6日 23:54
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN06CP00W1A100C2000000