【ワシントン=山内竜介】世界銀行は5日、2021年の世界全体の経済成長率が前年比4・0%増になるとの見通しを発表した。
新型コロナウイルスの感染再拡大などを踏まえ、前回の昨年6月時点より0・2ポイント下方修正した。22年は3・8%増と持ち直しが続くと見込むが、「回復基調は脆弱ぜいじゃくだ」と警戒感を強調した。

 21年の国・地域別の成長率は、米国は前回より0・5ポイント低い3・5%増、ユーロ圏は0・9ポイント低い3・6%増と見込んだ。
日本は2・5%増とし、見通しを変えなかった。中国は1・0ポイント高い7・9%増と高成長を予測した。

 見通しは、ワクチンが21年中に先進国や中国、ロシアなどで普及することを前提にした。ただ、不確実性は高いとし、普及が遅れた場合、
21年の世界経済の成長率は1・6%増にとどまると試算した。短期間に行き渡れば、5%増近くに上振れする可能性があるとの見方も示した。

 20年の世界経済の成長率は、中国の回復が想定以上だったことなどを反映し、前回より0・9ポイント高い4・3%減と推計した。
統計を遡ることができる1961年以降で最悪だったリーマン・ショック後の09年(1・7%減)を大幅に下回る。

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20210106-OYT1T50039/