※河北新報

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、東北で10日に成人式を開いた各自治体は、入場前の検温や消毒を徹底するなどした。式典をライブ配信に切り替えるケースもあり、感染拡大防止に向け、例年とは違った「晴れの日」となった。

 仙台市は「3密」回避のため、屋外のユアテックスタジアム仙台で開催。入場時に検温や消毒を行い、座席番号を書いた用紙を渡して席を指定した。式後に陽性が判明した場合に備え、座席の位置と連絡先を登録してもらった。

 検温で37・5度以上の参加者は、再測定で問題がなければ別に設けた席で参加できる態勢を取った。再測定で入場した男子学生(20)は「友達と席が離れる」と困惑した。

 ただ、会場内は座席の間隔を空ける対策を取ったが、式終了後は会場の外に新成人が密集。開会前も、スタッフが中に入るよう促しても友人を待つ新成人が通路にとどまって混雑した。

 岩手県岩手町では感染者がこれまで1人だったことや、半数以上の新成人が町内在住のため、規模を縮小して式典を行った。同町の公務員畑山知加さん(20)は「友人と再会できてよかった」と安心した表情。町教委の工藤晋社会教育課長は「人生の節目の日であるので、新成人とも協力して開催する前提で準備を進めてきた」と語った。

 福島市は市国体記念体育館で予定していた大規模な式典を見送り、動画投稿サイト「ユーチューブ」でのライブ配信に変更した。収録は市役所本庁舎7階の議会会議室で行い、出席者を新成人代表の2人や教育委員ら10人程度に絞った。

 新成人代表の一人で、将来は小学校の先生になりたいという東北学院大2年木田茉璃香(まりか)さん(20)=福島市=は「つらい経験をした私たちだからこそ、諦めずにやり通すことの大切さを子どもたちに伝えることができると思う」と話した。

 オンライン形式での開催を予定していた青森市は8日、一転して延期を決めた。新成人や保護者から会場での開催を望む声が寄せられたのを受けた。小野寺晃彦市長は「分散した形で開催する方法を改めて検討したい」と説明した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f737ad1eaf76eb40a4ee867babf1a27fd4cc183a
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