※日刊ゲンダイDIGITAL

「2021年はこれまでの首都圏大規模開発の効果が出始め、街の様相が大きく変わる年になる。最も注目されるのは東京駅周辺、高輪・泉岳寺周辺、渋谷駅周辺です」

 こう語るのはニッセイ基礎研究所の佐久間誠・金融研究部准主任研究員だ。こうしたエリアには200メートル級の超高層複合型ビルが次々誕生し、東京はまさに摩天楼の都市になる。

 三菱地所が東京駅丸の内エリアで開発を進める「常盤橋プロジェクト」は、A棟の40階建て常盤橋タワー(212メートル)の建設が進み6月に完成する。近隣のTOKYO TORCH(トウキョウトーチ)エリアのB棟には約390メートルの日本一高い63階建て超高層複合型ビル「トーチタワー」が27年度に竣工予定。

 東京駅の八重洲でも建設ラッシュが起きている。

 八重洲2丁目北地区では三井不動産が参入し、高さ約240メートル、地上45階の上層階にブルガリホテル東京が入る複合ビルが22年夏の竣工予定。また、八重洲1丁目地区では東京建物が高さ250メートル、地上51階の医療施設、劇場施設を備えたビルを25年3月に竣工予定だ。八重洲の再開発では地下に大型バスターミナルが建設されることも注目される。

 不動産アナリストの石澤卓志氏が説明する。

「昨年末にUR都市機構と京王電鉄バスが八重洲バスターミナルの整備・運営会社に決まりました。これまで東京駅周辺の歩道上に散らばっていた高速バスなどの停留所が集約され、国内最大規模のバスターミナルが整備されることになります」

 八重洲2丁目北地区は22年8月、1丁目東地区は25年度、2丁目中地区は28年度開業予定だ。

 昨年3月14日に開業した高輪ゲートウェイ駅から都営浅草線泉岳寺駅周辺は、JR東日本を中心に25年の「街びらき」に向け「品川開発プロジェクト」が進む。高輪ゲートウェイ駅から田町駅への4街区にツインタワーを含めた高層ビルが並ぶ。また、高輪ゲートウェイ駅と泉岳寺駅をつなぐ直接街路が設置される。

「昨年6月に開業した日比谷線虎ノ門ヒルズ駅周辺では、森ビルの超高層ビルが集中し、麻布台エリアでは23年3月に完成予定の323メートルの超高層ビルに加え、200メートルを超す住宅棟2棟の建設工事が進みます。21年は一気に変わる新しい街の様子が見えてくるでしょう」(前出の石澤氏)

 100年に一度といわれた渋谷駅周辺の開発プロジェクトは、渋谷スクランブルスクエア(1期)、フクラスなどが次々に開業し、渋谷駅一帯に高層ビルが連立しているが、さらに渋谷駅桜丘口地区、南平台プロジェクト、渋谷2丁目17地区など、すべての再開発の完了は27年まで続く。

 日本橋の再開発では日本橋川を覆う首都高速道路の地下移設構想も動きだしている。すでに川沿いの5区画が新たに再開発区画に決まった。東京一極集中が加速していくことは間違いがない。

https://news.yahoo.co.jp/articles/0cf4aeaf2c72c8bf07768cb9b4b148dfa7f33f8a
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