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ペットを飼っている被疑者が身柄を拘束されたとき、身寄りが全くなければ、ペットの世話はどうしたらよいのか。その職責のなかに「ペット預かり」はないと考えられているものの、弁護士が役目を担うべきだろうか。

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「微罪での逮捕であっても、ペットにとっては死刑同然だ」と話す内海文志弁護士は、2015年〜2016年にかけて実際に4頭の「被疑者の飼い犬」を無報酬で預かった経験を語る。

20年前、ある事案によって飼い主に置き去りにされた母犬と暮らした3カ月が、そうさせたのだという。(編集部・塚田賢慎)

●動物好きな内海先生なら大丈夫だろ

ーーどのような経緯で預かったのでしょうか

自分自身の案件ではないのですが、弁護人のツテで、「被疑者のペットの犬を預かってくれないか。内海の家は部屋も空いているし、動物好きだろ」と声がかかりました。

たしかに、動物に興味のない刑事弁護人の中には、犬の名前や、飼われている頭数すら聞いていないこともありますが、僕はもともと、千葉県動物愛護推進員も務めていました。

連絡を受けた一両日中には、担当の刑事弁護人に鍵を宅下げしてもらうなどして、被疑者の自宅から僕の自宅に連れていったわけです。

預かったのは3度です。1度はミニチュアダックスフントと雑種が2匹一緒でした。あとはトイプードルが1匹ずつです。

●動物のことなら内海先生だろ

僕は犬の問題にも取り組んでいたので、動物保護の団体とも交流がありました。家に連れ帰った犬をしばらく飼ったあとで、団体にお預けして里親を探してもらいました。

同時に、担当の刑事弁護人の先生には、被疑者から「所有権放棄書」を取ってもらいました。所有権を放棄しないと、譲渡できないからです。トラブルを避けるためにも意味があります。

自宅に入ることで、あとあと文句を言われそうな場合には、合意書を書くのもよいでしょう。ですが、生き物の命が優先です。合意書の前に、現場に行きます。

ーートラブルを起こすような人が多かったのですか

精神的に不安定で、書いた後になって「睡眠薬を飲まされて眠っている間に書かされた。犬を返せ」と言う人もいました。

動物を虐待してしまうかたもいます。

4頭のうち、飼い主からかわいがられていると感じたのは1頭だけ。残りは、僕が引き取りに行ったとき、見た目、犬にも見えない状態でした。

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