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ニコンはカメラ事業を本当に継続できるのか――。

多くのカメラユーザーはいま、大いなる不安を抱いている。

2020年4〜9月期のニコンの営業損益は466億円の赤字(前期は175億円の黒字)に転落。
2021年3月期も750億円の営業赤字(前期は67億円の黒字)と、過去最悪規模となる見通しだ。

「オリンパスの次はニコンか」

ニコンの業績が急激に悪化しているのは、売り上げの約4割(2020年3月期実績)を占めるカメラなどの
映像事業が大赤字だからだ。2021年3月期の映像事業は450億円の営業赤字が見込まれている。
2020年3月期も171億円の赤字で、2期連続の赤字となる見込みだ。

手軽に撮影ができるスマートフォンに押され、デジタルカメラの市場規模は急速に縮小している。
そこに新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかけ、2020年のデジカメ出荷台数はピークだった
2010年の10分の1以下に落ち込みそうだ。

悪いニュースも相次ぐ。2020年6月にはオリンパスが慢性的な赤字が続く映像事業を投資ファンド、
日本産業パートナーズ(JIP)に譲渡すると発表。デジカメ市場からの撤退を決めた。当面はJIPのもとで
「オリンパス」ブランドのデジカメ事業が継続されるが、オリンパスから切り離されたことで先行きの
不透明感も増している。カメラユーザーが集まるネットサイト上では、「次はニコンか」と不安の声も出ている。

デジカメ市場を支えるプロやハイアマチュアの顧客層は、撮影対象やシーンに合わせて使い分ける
交換用カメラレンズを購入してきた。ニコンであれば、ミラーレスでも使用できる一眼レフのレンズだけでも
約400種類あり、中には100万円を超える高額品もある。「赤字がこれだけ続くと、ニコンもカメラ事業から撤退し、
これまで購入してきたレンズ資産が無に帰すのでは」と不安視するプロカメラマンもいる。


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ニコンファンは、ニコンのカメラ事業の先行きに不安を募らせている