新型コロナワクチンの接種は世界54カ国・地域で始まっている。海外領土などを含めると、60カ国・地域に達する。
2020年12月上旬の英国を皮切りに、世界各国で接種が本格化した。

接種回数を色の濃淡で示すと、欧州各国で接種が比較的進んでいる様子がわかる。
アフリカやアジアは接種の始まっていない国が大半だ。

一部の先進国が巨費を投じてワクチンの確保を進める一方、経済力に劣る発展途上国での接種が遅れる懸念がある。
中国がフィリピンやブラジル、トルコなどにワクチンを供給する意向を示すなど「ワクチン外交」を仕掛ける動きも出ている。

世界全体の累計接種回数は1月19日までに4000万回を超えた。米国、中国は1000万回以上の接種を終え、
2カ国で全体の5割以上を占める。イタリアやドイツ、ロシアなど欧州各国でも普及が進む。

ただ、人口あたりの接種回数ではイスラエルが突出し、すでに4人に1人以上が接種を終えた計算になる。
中東産油国のバーレーンやアラブ首長国連邦(UAE)も高い。外国人労働者への依存度が高く、政府が対応を急いでいると見られる。

日本は2月下旬から医療従事者を対象に接種を開始する予定で、河野太郎氏をワクチン担当大臣に任命した。

ワクチンは経済正常化の切り札とされ、普及度合いが各国の株価や資産価格に影響する可能性がある。
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-vaccine-status/