新型コロナウイルスによる世界の1日当たりの死者数が20日に1万7500人を超え、過去最多となった。
英国やメキシコ、ブラジルで死者数の増加が目立ち、米国を加えた4カ国で全体の5割を占める。

新規感染者数は1月上旬をピークにやや減少したが、変異種が見つかったブラジルなどでは
病院の受け入れ体制が間に合わず、死者数の増加につながっている。

米ジョンズ・ホプキンス大によると、20日の新型コロナ感染による世界の死者数は米東部時間21日午後1時(日本時間22日午前3時)時点で
1万7551人と8日ぶりに1日当たりの最多数を更新した。

国別では米国が4377人と突出し、英国(1826人)、メキシコ(1539人)、ブラジル(1340人)と続く。

中南米では2020年11月に6万人程度だった新規感染者数が足元で12万人を超え、死者数の増加も止まらない。
特にブラジルは医療体制の逼迫が深刻化し、死者数が連日1000人を超えるなど第1波のピークだった20年7〜8月の水準に戻った。

日本企業も多く進出する北部の工業都市マナウスでは酸素ボンベの不足など医療崩壊に陥り、多数の死者が出ている。

ブラジル北部で見つかった新型コロナの変異種はペルーにも広がったことが確認された。
ブラジルでウイルスの研究に取り組むオズワルド・クルス財団のフェリペ・ナベカ氏は「ブラジルの変異種も高い感染力をもつ可能性がある」と分析する。

南米の多くの国が夏季にあたり、市民の気の緩みが感染拡大につながっているとの指摘もある。

米国では新型コロナによる累計死者数が40万人を超え、昨年末までに2000万回分を予定していたワクチンの接種計画も遅れている。
20日時点の全米の入院患者は12万人を上回り、今後さらに死者数が増える恐れがある。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN21EUW0R20C21A1000000