マイナビが実施したアルバイト採用に関する調査によると、2020年末時点でアルバイト人材が不足していると回答した企業は56.3%だった。業種別では介護や運輸などで6割を超え、生活維持に不可欠な「エッセンシャルワーカー」の不足が目立った。新型コロナウイルスの影響で19年末比では全体で13.9ポイント減少したものの、マイナビは「依然として人手不足感は高い水準」と分析した。

「エッセンシャルワーカー」の業種をみると、介護が8.9ポイント減の62.6%だった。またコンビニ・スーパーの販売・接客が21.7ポイント減の61.6%、運輸が8.1ポイント減の61.1%だった。新型コロナの影響を受けやすいサービス業を中心に人手不足感は緩和されているが、以前から人手が集まりにくい業種では高水準が続いている。

人材確保のために効果があった施策(複数回答)は「給与の増額」が最多で、5.1ポイント増の66.3%だった。これに続いたのが「在宅勤務・リモートワークの承認」で61.5%だった。19年から6.6ポイント増え、アルバイトにも新たな働き方が求められている。


労働時間の削減や解雇などアルバイトの雇用調整の実施状況を聞くと、全国に緊急事態宣言が発令された20年4月は「労働時間の削減」が27%、「新規採用数の抑制」が18%だった。「解雇」や「契約更新の停止」は1割未満で、雇用維持のための施策が優先された。雇用調整を実施していないとした企業は同年4月時点で65.2%、11月は79%だった。

調査は20年11月末〜12月初旬に、直近1年以内にアルバイト採用に携わった会社員を対象にネットで実施した。有効回答者数は1527人。

日本経済新聞 2021年1月22日 17:43
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ149T80U1A110C2000000