2019年、福井県では3,336人の人口流出があり、転出者の増加率は全国で最大だったそうです(総務省調べ)。人口減少を食い止めようと、各自治体はI・Uターンを促進する活動や移住者への経済支援など様々な施策に力を入れています。兵庫県神戸市の郊外で生まれ育った僕は、5年前、26歳のときに福井に移り住みました。福井に来てから本当にたくさんの方に支えてもらい充実した生活を送ってきましたが、実際に移住してきた立場からすると、その密な人間関係が生む閉鎖的な側面が、移住者が根付かない一つの原因になっている気もするのです。

■人生初の区長会

 お金のない若者にとって、都会よりも安価で家を借りられることは、田舎の魅力の一つです。当時、友人の紹介で山林を整備する地域活動に関わるようになった僕は、福井市のとある山奥の空き家を借りて住み始めました。入居してしばらく経ったある日、地域の方から「今度、公民館で区長会が開かれるので、その場でひと言挨拶してほしい」と連絡を受けました。

「区長会?一体どんな会なんだろう。とりあえず挨拶ってことかな。」僕の地元では区長会というものがなく、もっと言うと公民館すら存在しません(よくよく調べてみるとコミュニティーセンターや大きな公民館はありましたが、大きな区に一つ、という感じで福井のように身近な存在ではありませんでした)。「挨拶の場では一升瓶を2本持っていくものだ」と、年配の方から助言を頂いたので、言われた通り日本酒2本を用意し、指定された日時に地域の公民館を訪れました。

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https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1246511
2021年1月24日 11時00分