沖縄県の玉城デニー知事は25日、感染拡大地域から県を訪れた人を対象に、那覇空港内で症状の有無にかかわらず新型コロナウイルスのPCR検査を実施する体制整備を進めていることを明らかにした。自民党県連が同日、新型コロナ関連の財政措置を要請した場で「希望者になると思うが、空港で検体を取る準備をしている」と述べた。関係者によると、早ければ週内にも同空港の旅行者専用相談センター「TACO」で運用を始める方向で調整している。

 感染が急拡大し、国が緊急事態を再宣言した11都府県から来訪した検査希望者を想定。英国で猛威を振るう変異種が日本国内で確認されたこともあり、沖縄に持ち込ませない水際対策を強化する。離島空港でも検査体制を整備する方向で検討している。

 県観光振興課の担当者は「できるだけ、出発地で検査してからの来県を推奨しているが、難しい人もいる。国の宣言は2月7日までで、急ぎ検討を進めている」と述べた。検査ブース設置の有無や検査費用、人件費などの予算規模は調整中という。

 関係者によると、検査結果が判明するまで待機するスペースがないため、検査結果をインターネット上で確認できる方法を検討。検査費用は基本的に自費だが、一部を県が助成する案も浮上している。

 那覇空港は現在、サーモグラフィーで発熱が感知された人のみ空港内でPCR検査している。一方でこれまで新型コロナ感染が見つかった例はなく、感染者の「すり抜け」が課題だった。那覇空港でのPCR検査実施は、県医師会や観光業界が県に求めていた。

沖縄タイムス 2021年1月26日 06:54
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