※毎日新聞

2020年12月に東京都豊島区の女性会社員(35)の遺体が栃木県那須町の山林で見つかった事件で、東京地検は26日、住所不定の元保育士、佐藤喜人(よしと)容疑者(29)=死体遺棄罪で起訴=を強盗・強制性交等殺人と住居侵入の罪で追起訴した。佐藤被告には小学生の女児へのわいせつ事件への関与も浮上しており、警視庁目白署捜査本部は27日にも強制わいせつ容疑で再逮捕する方針。

 強盗・強制性交等殺人罪は性犯罪を厳罰化した17年の改正刑法で新設され、法定刑は死刑か無期懲役。同罪による起訴は、17年に神奈川県座間市のアパートで男女9人が殺害された事件で死刑が確定した白石隆浩死刑囚(30)以来、全国で2例目とみられる。

 起訴状によると、20年9月24日夜、豊島区の女性宅アパートに無施錠の玄関から侵入。クローゼット内などを物色していたところを女性に見つかったため、「静かにしろ」などと言ってベッドに押し倒し、性的暴行を加えてロープのようなもので首を絞めて殺害したうえ、現金約1万8000円が入った財布などを奪ったとされる。

 佐藤被告は警視庁の任意の事情聴取には関与を認める供述をしていたが、逮捕後の調べには黙秘している。ベッドの遺留物と佐藤被告のDNA型が一致したという。

 捜査の過程で、豊島区の隣の新宿区の路上で11月20日夕に小学生の女児がわいせつ被害にあった事件でも、周辺の防犯カメラに佐藤被告に似た人物が映っていたことが判明した。女児に後ろから抱きつき、スカートの上から下半身を触った疑いが持たれている。【土江洋範、最上和喜、鈴木拓也】

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