毎日新聞2021年1月27日 09時56分
https://mainichi.jp/articles/20210127/k00/00m/040/028000c

新型コロナウイルスの影響で修学旅行を取りやめた学校の間で、代替行事を模索する動きが広がっている。東京都内は「第3波」のまっただ中で、緊急事態宣言も再び発令された。3月に代替行事を予定しているケースも少なくなく、関係者は祈るように状況を見守っている。【川村咲平】

キャンプファイア、VRで奈良・京都、日帰り旅行…
江東区は「思い出プロジェクトKOTO2020」と題し、昨年10月から各学校が企画する代替行事の支援に乗り出した。児童・生徒1人あたりの補助は小学6年生が3000円、中学3年生は5000円。

大半の小学校は既に代替行事を終えており、保護者も交えて校内で肝試しやキャンプファイアなどを楽しんだという。「特別な思い出になった」「自分たちの計画が実現できてうれしい」と感想が寄せられた。

中野区教育委員会は、区立中10校の3年生を対象に、VR(仮想現実)を活用した疑似体験を授業に取り入れる。例年は修学旅行で奈良と京都を回るが、今年度は8月時点で全て中止になった。

疑似体験は旅行会社が企画しているツアーの一環。生徒は専用ゴーグルで奈良や京都の寺院の様子を見学したり、法話を体験したりすることができる。さらに都内や近隣県への日帰り旅行も実施。高校受験が一段落した3月の予定で準備を進める学校が多いという。

葛飾区の区立中24校は、3月に1泊や日帰りのプランで、都内近郊を訪れる小旅行を行う方針だ。緊急事態宣言が続くなどして中止となった場合、キャンセル料は区が負担する。2月上旬に実施の可否を検討するといい、区教委の担当者は「今年の生徒だけ何もできないのは可哀そう。感染状況が早く落ち着いてほしい」と話している。