朝日新聞デジタル

 2月1日から、東京、神奈川の私立中学校の一般入試がスタートする。

 先に始まった埼玉、千葉の中学入試では、新型コロナウイルス感染への不安からか、受験生が受験校数を絞り、確実な合格を狙う傾向がみられる。出願者数が減りそうな学校も多いなか、女子校では出願者数を伸ばす学校が目立っている。(宮坂麻子)

■オンラインで校風伝え、好評

 鷗友学園女子中(東京都世田谷区)は今回、出願受け付け開始から1週間足らずで、第1志望者が多い2月1日入試が、昨年の最終志願者数を超えた。1月29日時点で、昨年の約1・2倍の618人となっている。

 受験生限定のYouTubeチャンネルには、各教科の入試解説やコロナ下の学園の様子のほか、全校の生徒らが出演・制作した動画がずらりと並ぶ。

 「入試の時、緊張してしまいます。どうしたらいいですか」。受験生のそんな質問に、在校生が答える。「私は30秒ほど目を閉じて深呼吸しました」「使い慣れた問題集を試験直前までながめ、大丈夫だと自分を安心させました」

 昨年9月にあったオンライン学園祭の「鷗友生によるライブ相談会」の動画だ。生徒が発案し、その場で在校生が答えた。計4回開催し、各300〜500人の受験生が参加した。

 「友達との関係」の動画では、生徒が、同校伝統の3日に1回の席替えを例示し「席についたまま友達ができる」「他人の個性に対し懐が深い生徒が多い学校」などと紹介。上下関係や部活紹介の動画もある。

 高校生は、各自が好きなタブレット端末などを1台ずつ持参し、使っている。オンライン会議システム「Zoom(ズーム)」も、生徒たちは一昨年の「女子高生サミット」で全国の高校生と遠隔会議をする際に利用しており、コロナ下で普及する前から使い慣れていた。昨年の長期休校明けに、動画アップのサイトなどを作る「サイバーチーム」を募集すると、すぐに数十人が集まったという。

 安田教育研究所の安田理代表は「今回の入試では、学校がコロナ禍の中で在校生や受験生のためにどんな工夫をしたかを、保護者も見ている」と指摘する。全体的には安全志向の傾向で、多くの難関女子校が出願者を減らしているという。鷗友については「進学実績も伸ばし、ここ数年で完全に難関校になり、本来なら敬遠されるレベル。生徒主体の校風や人間関係づくりなど、学校の魅力が受験生に伝わり、人気を集めたのではないか」と話す。

■入試直前まで丁寧な見学会

 大学付属の女子校でも出願者数を伸ばしているところがある。2月1日午前の入試の出願者が、1月29日時点で昨年の最終志願者の約1・5倍になった、実践女子学園中(渋谷区)だ。

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