※毎日新聞

 新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言が再発令されて3週間が過ぎた。2020年11月末に「現場感覚では限界」とSNS(ネット交流サービス)に投稿し、いち早く第3波の「医療崩壊」を予見した埼玉医科大総合医療センター(埼玉県川越市)教授の岡秀昭さん(45)=感染症科=は、第4波に備えた医療従事者の役割分担や、自宅療養者のフォロー体制構築が必要と訴えている。

【鷲頭彰子】

 ――全国で自宅療養者の容体が急変し死亡する事例が相次ぎ、「無症状だった」との発表もあります。自宅療養の突然死を防ぐために、どうすればよいでしょうか。

 ◆無症状ではなく、息切れを訴えにくいため、呼吸の悪化に気づかなかった可能性があります。そもそも感染者の病状把握を保健所が担当することに無理があります。

 自宅療養者への対応は、開業医など地域の医師が協力する仕組みが必要です。適切な時期に治療介入することで重症化を抑制し、死亡者の減少が期待できます。

 例えば、保健所は地域の医師に自宅療養者の経過観察を依頼します。基礎疾患があるなど要チェックの療養者には(血中酸素濃度を測る)パルスオキシメーターを配布し、「LINE(ライン)」やメールなどで毎日報告してもらいます。

 担当医は、… 残り1157文字(全文1683文字)

2021年1月29日 17時09分(最終更新 2月1日 19時28分)
https://mainichi.jp/articles/20210129/k00/00m/040/209000c
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