新型コロナウイルスの感染状況などを分析する都のモニタリング会議が4日、都庁であり、国立国際医療研究センター(新宿区)の大曲貴夫医師が患者の後遺症に関する調査結果を報告した。大曲氏は「若者を含めて後遺症には多様な症状があり、長引く。コロナにかからないことが重要」と、あらためて感染防止策への協力を呼び掛けた。
 昨年2?6月に同センターを退院した63人から電話で聞き取ったところ、48人にせきや呼吸困難、倦怠(けんたい)感、嗅覚や味覚の障害などの後遺症があった。20代で12人中9人、30代は6人中5人が後遺症を訴え、若年から高齢まで幅広い年代で確認された。脱毛もおよそ4人に1人にみられた。
 発症から2カ月後では約半数が何らかの後遺症を訴え、4カ月経過しても残る人がいた。原因は明確ではなく、治療法は確立されていないという。
 また、1月26日?2月1日の新規陽性者に占める65歳以上の割合は25.6%で、前週より3.8ポイント上昇。高齢者を中心に死亡の報告も増えており、大曲氏は会議後に「(新型コロナは)年齢と亡くなるリスクの相関がものすごく強い病気。だからこそ、高齢者に広げてはいけない」と訴えた。 (松尾博史)

東京新聞 2021年2月5日 06時38分
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