JR沼津駅付近鉄道高架事業に伴う沼津市原地区への新貨物ターミナル整備で、元地権者1人が物件撤去に応じていない移転用地は5日、行政代執行法に基づく明け渡し期限を迎えた。元地権者は明け渡しを拒否。川勝平太知事の最終判断で、行政代執行（強制収用）による撤去を行うことになる。

　明け渡しの対象地は1435平方メートル。用地上には元地権者所有の工作物や立ち木などがある。静岡県は昨年11月、明け渡し期限を通告する戒告書を元地権者に送っていた。今後は知事の判断で代執行の時期や費用などを記した代執行令書を送付し、物件を強制的に撤去する。ただ、川勝知事はこれまで代執行の是非について明言していない。

　明け渡しを拒否している元地権者の久保田豊さん（81）は5日、静岡新聞社の取材に対し「意思は変わらない」と改めて応じない姿勢を示した。

　同事業を巡っては県収用委員会が昨年4月、土地収用法に基づき、未買収のままだった移転用地7件の権利取得と明け渡しを裁決した。市は同6月に移転用地の所有権を取得し、元地権者9人に物件の撤去を求めた。このうち1人が最終期限までに応じず、事業者の市と県は同11月、代執行庁としての県に代執行請求を行った。

　久保田さんら元地権者は国や県を相手に、事業認定の無効確認などを求める訴訟を静岡地裁に起こしたが、同12月にいずれの訴えも退けられた。今年1月、判決を不服として東京高裁に控訴した。

静岡新聞社

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2/6(土) 8:36配信

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