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「コロナ禍前の日常を」 感染対策緩いスペインやイタリアでフランス人観光客が増加、感染拡大の懸念

 【パリ=谷悠己】スペインやイタリアを訪れるフランス人が増えている。新型コロナウイルスの感染対策が相対的に緩く、飲食店や観光施設が利用できるため、コロナ禍前の日常を求める動きとみられる。

 フランスでは飲食店や博物館の営業が昨年10月末から停止中で、午後6時以降の外出は禁止。一方、スペインはマドリード州で飲食店やナイトクラブが午後9時まで営業でき、プラド美術館などの観光施設も人数制限しながら門戸を開いている。イタリアでも多くの州で今月から飲食店や博物館の営業が再開し、午後6時まで店内飲食が可能になった。つかの間の現実逃避を楽しむフランス人が増えているようだ。

マドリード市内のレストランで飲食を楽しんでいたフランス人観光客は、仏ニュース専門テレビBFMの取材に「これが本来の生活だ」と笑った。

 ただ、スペインは新規感染者数が2万人台後半で推移しフランスを上回っており、イタリアも1万人台前半。フランスでは6日から一部地域で学校の冬休みが始まったが、カステックス首相は4日の記者会見で休み中の移動制限を設けない方針を示したため、仏メディアでは休み明けの感染者の増加を懸念する声が上がっている。

2021年02月07日 19時42分
東京新聞