国内のがん検診を受けた女性およそ1万5000人のデータを詳しく分析したところ、
子宮頸がんのワクチンを接種した女性は、がんの前段階となる異常が起きるリスクが減っていたとする研究結果を大阪大学などのグループがまとめました。

これは、大阪大学などのグループがまとめたもので、協力が得られた全国の31の市町村で2013年から4年間にがん検診を受けた20歳から24歳の女性のうち、
子宮頸がんやがんの前段階にあたる組織の異常と診断されたおよそ2500人全員と、異常がみられなかった1万2000人余りの、
合わせておよそ1万5000人を対象にデータを分析しました。

このうち子宮頸がんのワクチンを接種していた女性はおよそ3000人で、分析の結果、
ワクチンを接種した人は接種していない人に比べ、がんの前段階にあたる軽度の組織異常になるリスクがおよそ58%低くなっていたということです。

さらに、中程度の組織異常となるリスクはおよそ75%低くなっていました。

また、子宮頸がんと診断された人は8人いましたが、ワクチンを接種していた人はいませんでした。

分析を行った大阪大学大学院医学系研究科の池田さやか医師は「子宮頸がんのワクチンについては、不安を覚える人も多いと思うので、
科学的な根拠を正確に伝えることが大切だ。接種について判断する手助けになればと思う」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210208/k10012854861000.html