東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかる」などと発言したことが問題視されています。
日本は国際社会において女性差別が激しい国として認識されており、実際、世界経済フォーラムが毎年発表している「グローバル・ジェンダーギャップ・レポート」の最新版(2020)では、
男女平等指数が0.652と153カ国中121位とかなり低迷しています。ちなみに前年は149カ国中110位でしたから、日本のランキングは下がっている状況です。

 日本は以前からこうしたジェンダーギャップ調査では低いランキングが続いていますが、ランキングというのは一定のルールにしたがって点数を付ける仕組みなので、
そのルールで高いポイントが取れるようにすれば、必然的にランキングは上がるはずです。世界経済フォーラムの調査は、政治、経済、教育、健康という4つの分野に分かれていて、
政治の場合、閣僚の男女比、議員の男女比などが評価項目になっています。経済では同種業務での給与格差、管理職の女性比率などが評価ポイントです。
日本は教育や健康分野での男女差別はほとんどなく、今の時代においては女性が理由であることで満足な医療が受けられない、
あるいは大学に進学できないといったケースはほぼ皆無でしょう(一部、医学部などでは男女差別があると指摘されています)。
そうなると、順位を引き下げる要素は、必然的に政治と経済ということになります。

 実は政治や経済の分野で男性が優位というのは日本だけでなく、諸外国でも見られた光景です。
フランスも日本ほどではないにせよ、先進国の中では男女差別が激しい国として知られていましたが、フランス政府は汚名を返上するため、
閣僚や幹部への積極的な女性登用を国家ぐるみで進めてきました(議員などにおける女性の割合を、あらかじめ一定数に定めて積極的に起用する制度のこと)。
その結果、フランスの順位はみるみる上昇しました。

 報道によると森氏は「女性理事を選ぶっていうのは文科省がうるさく言うんです」と発言していますから、
文科省はこうしたランキングを意識して、女性を積極的に登用する施策を進めていたことが分かります(男女共同参画社会基本法をもとにした各種施策)。
心の奥底にある差別意識を根本的に排除することは、人間の内面に立ち入ることですから、そう簡単ではありませんが、現実社会で差別が顕在化しないよう工夫することはそれほど難しいことではありません。
日本における最大の問題は、どうすれば「日本は男女差別がない国」と諸外国から評価されるのか、その仕組みも分かっていながら、それが実現できないことであり、それ故に日本の差別は根深いと考えることもできます。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5f4ada01447db6f5788b94496c850fb6ce904ecb

★1が立った時間:2021/02/09(火) 12:16:34.45
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