全部をEV化すると勘違いしている人が多いね


軽自動車は日本独自のクルマの規格で燃費も良く価格も安いことなどから
国内の新車販売の約4割を占める。菅義偉首相による温暖化ガス実質排出
ゼロの方針で、軽自動車業界でも電動化が課題となっている。

スズキはダイハツ工業に次ぐ軽自動車販売で国内2位。軽の8車種(派生モ
デル除く)のうち、既に「スペーシア」や「ハスラー」など人気の3車種に
「マイルドハイブリッド」と呼ばれる簡易型HVを設定している。今後、残
りの5車種にも簡易型HV車を設定する。価格はガソリン車より10万円ほど
高くなるが電動化対応を急ぐ。

軽自動車にとって電池を活用する電動化はハードルが高い。特に電気自動車
(EV)の場合、一定の航続距離を確保しようとすると電池の大型化が避けら
れず、軽自動車の車体規格を維持できなくなる。電池コストも重く軽自動車
の売りである「安さ」を損なう。

過去に三菱自動車が販売していたEV「アイ・ミーブ」は当初、軽自動車の規
格で価格が約300万円だった。

スズキが注力する簡易型HVは低速時などにモーターがエンジンの駆動を補助
することで燃費性能を高める。本格HVなどに比べると燃費改善効果は低いが
大きな設計変更なく導入でき価格も抑えられる。独フォルクスワーゲン(VW)
もガソリン車については全車種に簡易型HVのタイプを設ける。

軽自動車の電動化対応について、ダイハツ工業やホンダは明確な戦略を明らか
にしていないが、提携関係にある日産自動車と三菱自動車はEV化を目指してい
る。スズキもEVの研究開発を継続し、環境車で複数の選択肢を確保し続ける。