新型コロナ感染拡大で…看護職「辞めたい」4割 東北大が調査

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、病院に看護職で勤務する人の約4割が「仕事を辞めたい」と考えた経験があり、精神面の健康状態も悪化傾向にあることが、東北大が全国8地域を対象に実施したオンライン調査で分かった。研究グループは看護職の精神的ケアの必要性を訴えている。

 回答した看護師や准看護師らのうち、約8割が新型コロナ感染者の受け入れ医療機関に勤務。感染拡大の影響で「仕事を辞めたいと思ったことがあるか」との問いに対し、「たびたびあった」と回答した割合は15・6%、「時々あった」は27・3%だった。

 回答者の精神面の健康状態を「心理尺度(K6)」と呼ばれる指標で測定した結果、気分障害や不安障害の可能性がある「10点」を超えた割合は39・8%だった。研究グループが2014年に看護職を対象に実施した同じ調査の結果(20・8%)を大きく上回った。

 調査した大学院医学系研究科の朝倉京子教授(看護管理学)は「感染者の少ない地域でもコロナ禍で医療現場に負担が掛かっている。看護職への総合的な支援が必要だ」と指摘する。

 調査は1月、100以上の病床がある病院に勤務する看護職1万人を対象に実施。回答率は22・7%だった。平均年齢は40・2歳で、女性が9割以上を占めた。対象8地域の都道府県名は明らかにしていない。

河北新報 2021年02月11日 06:00
https://kahoku.news/articles/20210210khn000058.html