もう一人、候補に名前が挙がる競泳金メダリストの鈴木大地氏(53)もスポーツ庁長官時代にお飾り≠ニ陰口をたたかれるなど実務能力を疑問視される。

 そこでにわかに注目される大穴候補≠ヘ、小谷実可子スポーツディレクター(54)だ。小谷氏は前出の2人と同様に五輪メダリスト。88年ソウル五輪のアーティスティックスイミング(シンクロ)で2個の銅メダルを獲得した。海外での知名度は抜群で、さらに「英語ペラペラ」なだけに国際舞台で国際オリンピック委員会(IOC)幹部らと直接コミュニケーションを取れる武器も持ち合わせている。

 昨年10月、組織委がIOC委員のセバスチャン・コー氏(64)らの海外派遣団を招いた際には、面談にハッピを着て飛び入り参加。堪能な英語を駆使して来賓を大いに盛り上げた実績がある。IOCのトーマス・バッハ会長(67)との交渉も通訳なしなら、そごも生じない。何より女性蔑視発言による日本の古い体質が浮き彫りになった今、華やかさのある小谷氏は女性リーダーにうってつけだ。会合の出席者からも小谷推し≠フ声が挙がっている。

 組織委の武藤敏郎事務総長(77)は12日の会見で新会長の資質について「こういう状況での交代なので、五輪、パラリンピックについて何らかのご経験があり、ジェンダーイコーリティー(男女平等)、ダイバーシティー(多様性)、インクルージョン(包括性)の認識が高い方が必要」と語っていたが、シンクロの女王≠ネらまさにピッタリだろう。

 森、川淵、御手洗による252歳トリオ≠フ会長人事を目の当たりにした関係者は「とにかく若返りが必要だ」と訴えるが、コロナ禍で問題山積みの本番まで残り5か月。悠長に議論している暇はないはずだが…。
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