毎日新聞と社会調査研究センターが13日に実施した全国世論調査では、3月11日に10年となる東日本大震災についても聞いた。
被災地の復興状況について、「復興は順調に進んでいる」と答えた人は20%にとどまり、「期待したより遅れている」は46%、「わからない」は34%だった。
域別に見ると、東北地方では「順調に進んでいる」が4割に達し、他地域より高かった。

 国民の被災地に対する関心が薄れたと感じるかどうかについては、「感じる」は84%で、「感じない」の15%を大幅に上回った。
調査方法が異なるため単純に比較できないが、震災5年時の2016年3月の調査では、関心が薄れたと「よく感じる」が28%、「ときどき感じる」51%、「あまり感じない」9%、「ほとんど感じない」4%だった。

 震災発生から10年間の政府の取り組みを「大いに評価する」は6%、「ある程度評価する」は56%で、合わせて6割を超えた。
「あまり評価しない」は31%、「全く評価しない」は7%だった。

 買い物をするときに福島県産の農産物や魚介類を意識するかとの質問では、「特に意識することはない」が70%で、
「不安を感じることがある」は14%、「復興支援のために意識して買うことがある」は15%だった。
東京電力福島第1原発事故による風評被害の影響は、発生10年を経ても、なお一部に残っていることがうかがえる。

日本の原発政策について尋ねたところ、「原発はゼロにすべきだ」は39%で、「ある程度の原発は必要だ」は56%、
「原発を増やすべきだ」は4%だった。年代別に見ると、「原発ゼロ」を選んだ人は、18〜29歳は26%▽30〜40代は30%▽50〜60代は41%▽70歳以上は56%――と年代が上がるほど多い傾向があった。

 政府は、温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロとする目標を掲げる。
現行のエネルギー基本計画では、30年度の電源構成を原子力20〜22%とする目標とし、
原発の再稼働を進めている。九州電力と関西電力の原発4基が現在、稼働している。【伊藤奈々恵

https://mainichi.jp/articles/20210213/k00/00m/010/115000c