人気動物のレッサーパンダがいないことは、東山動植物園(名古屋市千種区)の不思議のひとつに数えられてきた。昨年12月、一気に3頭がやってきて、今春、39年ぶりに公開される。「ビッグネーム」来園の決め手になったのは、繁殖を目的に無料で動物を貸し借りできるブリーディングローン(BL)制度だ。

 東山にやってきたレッサーパンダは雌の「まるこ」、雄の「令」「ずん」。いずれも1〜2歳と若い個体だ。それぞれ静岡市立日本平動物園、富山市ファミリーパーク、多摩動物公園(東京)で生まれた。

 東山へレッサーパンダがやって来るのは1973年10月以来。飼育していた個体が82年4月に死んでからは、東山にレッサーパンダはいなくなっていた。高齢化で人気動物が相次いで死んでいる東山にとって、久しぶりの「ビッグネーム」加入になる。

 新設したレッサーパンダのゾーンは広さ1544平方メートル。その中に136平方メートルの屋内展示場と寝室、250平方メートルの屋外運動場もある。総事業費は計2億7千万円。うち1億7千万円は市内の女性(故人)からの寄付を活用している。

 1月29日に式典を開いて3頭の一般公開を始める予定だった。しかし新型コロナウイルスの影響で中止。式典をせず、春に一般公開を始める予定だ。飼育担当者は「3頭とも環境になじむ訓練をしており、順応している。いずれは繁殖を目指したい」と話している。

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 絶滅危惧種に指定されているレ…(以下有料版で,残り1287文字)

朝日新聞 2021年2月15日 7時30分
https://www.asahi.com/articles/ASP2D63BNP28OIPE01W.html