石川県は17日、接待を伴う飲食店でクラスターが相次いでいる金沢市の片町地区で、飲食店に対し、22日から2週間、営業時間を午後9時までとするよう要請しました。繁華街からは、要請が遅すぎるという批判が相次いでいます。

17日午後、急きょ時短要請を打ち出した谷本知事。片町地区の飲食店に対し営業時間を午後9時までとするよう求め、3月7日までの2週間すべてで要請に応じた店には、56万円の協力金が支払われます。

17日午後9時台の金沢市片町の人出は、全国で緊急事態宣言が出される直前の去年4月7日と比べると89%も増加しています。街の人からは時短要請が遅すぎるといった批判が多く聞かれました。

ある女性は「要請は月曜日からだが、金曜日か、すぐにでもよかった」と述べました。別の男性は「このままずるずるいってもしょうがない。(時短要請の期間が)短いのでは。もうちょっと長くやってもいい」と求めています。また飲食店に勤める女性は「(要請が)遅い。もうちょっと早ければ、助かっている店も多かった。実家に行って家業を手伝って乗り切る」と話していました。

バーやスナックなど60店舗以上が入る片町最大級の「エルビル」で、およそ20人の従業員を抱える「別邸倶楽部金澤」の山岸夕莉さんも「やっと出してもらえたかなと。もうちょっと早くお願いしたかった」としています。

そのうえで、金沢市が行うPCR検査については「店でスタッフに抗原検査を2週間に1回実施しているので、抵抗はない」として、積極的に受ける考えを示しました。

一方、1月末にオープンを迎えたばかりの金劇パシオンにあるバー「蓮ナンフェア」の耕外志美さんは、相次ぐクラスター発生で苦しいスタートを強いられていますが、休業することを決めました。耕さんは「全部休みにする。酒の提供が午後8時までなので、店が8時オープンなので早く開けても仕方ない」と、期間中は店を完全に閉めることにしました。

一方で、関係者の話では、すでに県の要請に応じないことを決めた店もあるということです。これについて、山岸さんは「いろいろな考え方があると思うので、全否定はできないと思うが、皆さん合わせてできる部分もあるかな」と、なるべく多くの店が同調することに期待しています。耕さんも「感染予防対策をきちんとしている店は要請に従うと思う」と話しています。

足並みをそろえて感染を封じ込めることができるか。北陸最大の歓楽街が、大きな試練に直面しています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/076e44f09c0d3cb16d390e964a053afbb320d4fd
2/18(木) 20:46配信