栃木県足利市の山火事は延焼が続いていて、発生から4日目となりました。23日夜に比べ、北側や西側の山も燃えています。24日の消火活動は、自衛隊と消防のヘリ、合わせて11機。地上からは消防車33台、消防隊員など約400人で行なわれました。近くを流れる渡良瀬川から水を吸い上げ、消火にあたるヘリもありました。

24日になって、避難勧告の地域が広がりました。午後1時、現場の東側エリアにある80世帯が追加されました。
避難する住民:「きょうは特にすごい、息苦しいくらい。うちの中もだいぶ煙が入ってきている。うちを離れること自体が心配ではあるけど、身の安全が一番なので、そっちを最優先で」
午後9時現在、177世帯に避難勧告が出されています。対象エリアは、火災現場の東側、西側、南側に分かれ、広い範囲にわたっています。対象となったエリアでは、市の職員や消防などが、一軒ずつ訪ねて、避難を呼び掛けました。

24日午後、市の対策本部が会見を開き、状況を説明しました。
足利市・和泉聡市長:「ハイカーの休憩場所、いすが少し設置してあるような、そういう場所が出火元かなと推測している。食べるために火を使ったとか、たばことか。そういうことがないと火の気のまったくないところだから、こういうことにならないのかなと」

最初に火災が確認されたのは、21日午後3時半過ぎ。両崖山山頂の南西約200メートルの場所で、地元で親しまれているハイキングルートの途中です。そこから火のついた落ち葉が風に飛ばされ、広がったとみられています。燃えているのは、立木ではなく、落ち葉や下草で、発生当初に比べ、火災の範囲は5倍にも及んでいるといいます。急斜面のため、消火活動はヘリコプターが頼りですが、23日は、強風のため午後は飛べませんでした。
足利市・和泉聡市長:「空からの自衛隊のヘリの消火活動がままならなかったので、残念ながら風にあおられるような形で、火が広がった。風があると、まいた水が霧状になって、効果を発揮しない。逆にヘリコプターのローターが、火をあおるような状況」

地上からの消火活動にも、問題があるといいます。消火栓で大量に水を使うと、上水道の水圧が下がるため、場所によっては断水する恐れがあります。山の中腹にプールのようなものを設置し、水を貯めて消火する方法も取っています。
自宅近くが延焼していた住民:「いま放水している3メートル先くらいまで、多分、飛び火したものなので、消防隊員さんが足で消して、なんとか延焼を食い止めている。やっぱり火事は恐ろしい」

実家のすぐ近くに火が迫ったため、母親を迎えに来たという男性は、不安を口にします。
母親を迎えにきた男性:「夜になると火が目立つので怖い。こんなに近づいていると思わなかった。家を留守にするのも怖いし、いるわけにも。ギリギリまで待って考えて逃げようかと」
午後9時現在、3カ所の避難所に21世帯37人が避難しています。鎮火のめどは、まだ立っていません。

テレビ朝日
2/24(水) 23:30
https://news.yahoo.co.jp/articles/5a5d5e74c736edb5f63247a58b7241d2ea6652d4