※時事通信
https://news.yahoo.co.jp/articles/42c4b91eef343625c71fcaa182183a61b22a285c
 バイデン米政権は近く、サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏殺害事件に関する情報機関の報告書を公表する。
サウジの事実上の最高権力者ムハンマド皇太子の事件関与に触れているとされ、サウジとの「関係見直し」を公言しているバイデン政権が、
皇太子に何らかの措置を取るのかどうかが焦点になる。

2018年10月にイスタンブールで起きたカショギ氏殺害事件の報告書について、バイデン大統領は24日、記者団に「目を通した」と説明した。
サウジのサルマン国王と電話会談する意向も示した。
米メディアは事件後、皇太子が記者殺害を命じたと中央情報局(CIA)が結論付けたと報道。報告書にはこうした内容も含まれているもようだ。

対イラン戦略や武器売却でサウジとの友好を重視したトランプ前大統領は「(皇太子は事件を)知っていたかもしれないし、知らなかったかもしれない」と述べ、
責任を追及しなかった。米政府は皇太子の側近ら17人に制裁を科したが、皇太子は含まれなかった。

皇太子はトランプ氏の娘婿クシュナー前大統領上級顧問と親密な関係を築き、頻繁に連絡を取り合った。
トランプ氏も皇太子の訪米時にホワイトハウスで会談したり、電話で話したりし、厚遇した経緯がある。

これに対し、サキ大統領報道官は「大統領のカウンターパートは国王だ」と指摘。
皇太子とは電話会談しないと明言し、事実上の最高指導者として扱わない方針を示した。
国防相を兼務する皇太子とは「同格」のオースティン国防長官が電話会談に応じている。

また、バイデン氏は4日の外交演説で、イエメン内戦に介入するサウジへの支援中止を発表。
同時に、イエメンの武装組織フーシ派など親イラン勢力の攻撃を受けるサウジの防衛を支援し続けるとも表明したが、「関係見直し」の真剣度が明らかになっている。