脱炭素への取り組みが世界的に加速する中、農林水産省は化学肥料や農薬を使用しない有機農業の拡大に向けてかじを切ることになりました。2050年までに、有機農業の面積を国内の農地の25%にあたる100万ヘクタールまで拡大することなどを新たな戦略に盛り込む方針です。

農林水産省は、2050年までに脱炭素社会を目指す政府の方針も踏まえ、環境負荷の少ない持続可能な農林水産業の実現に向けた新たな戦略作りを進めています。

これまで日本では化学肥料や農薬を使う農業が中心でしたが、肥料に含まれる窒素が温室効果ガスの原因になると指摘されているほか、農薬が生態系に与える影響も懸念されています。

このため、今回の戦略では、化学肥料や農薬を使用しない有機農業の面積を2050年までに国内の農地の25%にあたる100万ヘクタールまで拡大する目標を設ける方針です。

2017年の時点でおよそ2万3500ヘクタールにとどまっており、40倍以上に増やすことになります。

また、2050年までに農薬を50%、化学肥料を30%、使用を削減する目標も定め、生産者の支援や、病気や害虫に強い品種の開発の強化なども盛り込むことにしています。

EUやアメリカが環境に配慮した農業への転換を掲げる中で、日本としても有機農業の拡大にかじを切り、輸出の拡大にもつなげたい考えです。

NHK NEWS WEB
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210227/k10012888121000.html