宗祖日蓮聖人の降誕800年正当を迎え、日蓮宗(中川法政宗務総長)は16日、千葉県鴨川市の大本山誕生寺(石川日命貫首)で宗門法要「宗祖降誕八百年慶讃大法要」を執り行った。コロナ禍ということもあり、感染防止対策を徹底しながら、宗祖誕生の聖地と国内外の僧俗をオンラインで結び、リモート参加型の法要として営まれた。前日、翌日にも地元千葉教区や誕生寺主催の法要も行われ、宗祖降誕八百年の聖日を祝った。

 正当である16日の宗門法要は、菅野日彰管長(大本山池上本門寺貫首)を大導師に厳修。菅野管長以下、式衆来賓はマスクとフェイスシールドを着用し、検温や手指消毒、換気など感染防止対策が徹底された。法要の内容は簡略化せず、宗門法要としての修法祈祷や数々の声明が盛り込まれた。

 会場となった祖師堂にはオンライン配信のためにビテレビカメラ8台、大型モニター10台を配置。国内全74管区の代表者、アメリカ、インド、インドネシア、イタリア、ドイツ、ブラジル、マレーシア、韓国の国際布教師が参加し、祖師堂に参列した宗務内局や宗会議員、本山貫首など宗門要路とともに宗祖降誕を祝う国内外の思いが宗祖誕生の聖地に集結した。

 御親教で菅野管長は、世界各地の現在時刻を挙げ、法要の中継を見守る人々のリモートでの参加に感謝。国内外の僧俗が一体となって「この尊い聖日を機に、お題目の輪を広げ人々をやすらぎの世界にともに導いていかせていただきたい」と話した。

 表白を述べた中川総長は挨拶で先師先哲による800年にわたる不断の努力が紡がれた宗門の歴史を思い、「私たちは宗祖、先師先哲の要靖に応え、未来に向けてその歴史を繋げていく義務がございます。この法要は、その決意と覚悟を次の時代に向けてお誓いする砌なのです」と祖願成就への決意を新たにした。

 石川貫首も「このご降誕800年以後、一人ひとりが心のよみがえりの道場として、全国の方々の心の拠り所、法華の道場として山内一同、異体同心、一意専心の想いで、蘇生願満日蓮聖人へ給仕の誠を捧げてまいる所存」と誓った。

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