ソフトバンクの携帯電話を購入した顧客の情報6000件余りを不正に持ち出したなどとして、販売代理店を経営していた35歳の男が逮捕されました。
警視庁などは持ち出した情報が知人の男に渡り、スマートフォンの決済サービス「PayPay」などの不正チャージに悪用されたとみて調べています。
調べに対し容疑を否認しているということです。

逮捕されたのは携帯電話の販売代理店を経営していた東京 世田谷区の稲葉修作容疑者(35)です。

捜査関係者によりますと、2018年までのおよそ3年間にソフトバンクの携帯電話を購入した顧客の氏名や口座番号などの情報、合わせて6000件余りをコピーするなどして不正に持ち出し、別の商品の営業に流用したとして不正競争防止法違反の疑いが持たれています。

去年「PayPay」のアカウントに他人の預金口座から引き出した現金を不正にチャージしたなどとして知人の男が逮捕・起訴され、男のパソコンからおよそ9500件の個人情報が見つかったことから捜査した結果、稲葉容疑者が不正に持ち出した情報と一致したということです。

警視庁などは持ち出した情報が知人の男に渡り、合わせて2000万円余りの不正チャージに悪用されたとみて詳しいいきさつを調べています。

調べに対し「違法になるとは知らなかった」と容疑を否認しているということです。

ソフトバンク 不正持ち出し6347件

販売代理店の元経営者が逮捕されたことを受けて、ソフトバンクは「お客様に多大なご不安およびご迷惑をおかけしましたことを深くおわび申し上げます。代理店に対する管理・監督責任を再度徹底するとともに、全社を挙げて再発防止を図って参ります」というコメントを出しました。

ソフトバンクによりますと、不正に持ち出されたのは顧客の氏名や住所、生年月日、それに口座番号など合わせて6347件に上り、稲葉容疑者は契約書の控えを無断でコピーしたり、写真に撮ったりしていたということです。

ソフトバンクは、被害にあった顧客には今後、書面で経緯などを説明し、謝罪するとしています。

NHK NEWS WEB
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210304/k10012896601000.html