東京電力は原子力発電所の建設工事が中断している青森県東通村に対し、地域振興などを目的に5年間で30億円程度の拠出を検討していることが分かりました。工事の再開が見通せない中、地元との関係を強化していくねらいがあるものと見られます。

東京電力は青森県東通村で原発の建設を進めていましたが、東日本大震災の影響で工事が中断されています。

東京電力は原発の固定資産税などが入らず財政が厳しくなっている東通村からの求めに応じて企業版のふるさと納税制度を利用し、この2年間で合わせて4億円を寄付しています。

さらに東京電力は東通村と共同で地域振興などを目的とする協議会を設け、この協議会を通じて東通村に資金を拠出する枠組みを新たに設ける方針を固めました。

金額は5年間で30億円程度とする方向で調整を進めています。

原発の建設工事の再開が見通せず地元から支援を求める声も強まる中、東京電力としては地元との関係を強化していくねらいがあるものと見られます。

一方、東京電力は福島第一原子力発電所の事故以降、実質的に国有化されていることからこうした対応をめぐって今後、議論を呼ぶ可能性もあります。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210304/k10012896571000.html