※読売新聞オンライン

 飲酒運転の車で男性を約3キロ引きずり、死亡させたとして、自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致死)に問われた無職緒方茜被告(33)の裁判員裁判で、福岡地裁は4日、求刑(懲役8年)を上回る懲役8年6月の判決を言い渡した。中田幹人裁判長は「検察官は悪質性を軽視している」などと述べた。

 判決によると、緒方被告は昨年3月28日未明、酒を飲んで前照灯をつけずに車を運転。福岡市早良区の道路に座り込んでいた会社員男性(当時31歳)を車の底に巻き込んで同市西区まで約3キロ引きずり、死亡させた。

 判決は、被告は事故の1か月前から仕事帰りに飲酒運転を繰り返していたと認定。飲酒運転の危険性が広く周知される中、「悪質で、厳しい非難に値する」と指摘した。男性側の落ち度などを考慮した検察官の求刑について「悪質性や非難の強さをやや軽視したと言わざるを得ない」と判断した。

 最高裁によると、全国の裁判員裁判で求刑を上回る判決が出た被告は2012年には19人に上り、13年は14人。14〜19年は0〜4人で推移している。

https://news.yahoo.co.jp/articles/4f7c471cc4f359c8e2f45f1652d27143a7de2c9d